パチンコ人が今日も哭く。
人が哭(な)く。
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一つの口では、哀しさ辛さを表すことができず、
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口を二つにして哭く。
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人の声では表せない感情を犬が吼えるような声で哭く。
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パチンコ人が哭(な)く。
一つの口では、哀しさ辛さを表すことができず、
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口を二つにして哭く。
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人の声では表せない依存症者の感情を犬が吼えるような声で哭く。
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自分の心をズーっと掘り下げていくと、
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哭いている自分に出会う。
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今の社会や政治の影をジーッと見据えていくと、
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哭いている依存性のみんなが見えてくる。
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パチンコ人は思う。
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お盆だから、笑顔で祖先を迎えたいのに、
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パチンコ人は、それができない。
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笑顔どころか、祖先とまともに目を合わせることなんてできない。
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こんな醜い自分を
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清らかな祖先に何と説明すればいいのだらろうか。
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パチンコ人は、この世の人々に目を合わせられないばかりか、
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彼岸からやってくる祖先にも目を合わせられない。
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パチンコ人は、考える。
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こんなに汚れちまった自分は、
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これからどうしたらいいんだろう。
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鈍い眼で空を仰ぎながら深いため息ばかりの自分を呪う。
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ああ、このまま天の彼方へ消えてしまえたら、
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どんなに幸せなんだろうか。
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辛い。苦しい。憎い。
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悔しい。泣きたい。
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怪物に喰われてしまいたい。死にたい。
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・・血が臭いこの体を、誰か引き取ってくれ。
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麻酔をかけて、細かく刻んでくれ。
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パチンコ人は、震える体を引きずりながら、
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今日もひとり依存性という荒れ野をノタノタと歩いていく。
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